11月の古東だより
10月末に職員研修旅行がありました。富山市内にある、同じ保育理念を持つ保育園の見学をして、その後は観光を楽しみました。
他園の見学はとても勉強になります。自園と違う部分、共通の部分にまず目がいきます。そして他園を見ることによって自園の良さ、改善すべきところが見えてくるのです。「井の中の蛙大海を知らず」「百聞は一見に如かず」。先人たちはうまいことを言うなあ、といつも感心させられますが、ことわざの通り見学してきた職員たちは多くのことを学びました。園の課題として浮かび上がってきたのは、「保育者全員で全園児をみる」ということ。「この子どもたちは、私の担当」という思いが強いと、抱え込むことが多くなり、チーム保育の良さが消されてしまうのではないかと感じました。全職員で、全園児をみる。この原点を今一度思い出すことが出来る、貴重な経験となりました。また、北陸のたくさんの美味しい食べ物をいただき、幸せな時間を過ごしてきました。
旅行から帰ってきてテレビのスイッチを入れると、こんな映像が流れていました。アフリカの飢餓で食事を満足に摂れない子どもたち。シリアで拘束されてやっと帰国したジャーナリスト。戦後を描いたドラマで、夫婦ふたりで一杯のラーメンを分けて食べる姿。どれも、私たちの現実とかけ離れています。そのような苦労をしろと言われても出来るわけがありませんし、そんな苦労はしないに越したことはありません。この恵まれた時代に感謝しろと言われても、なかなか難しいです。しかし、そういう苦労をされている方に目を向けること、苦労されてきた方の言葉に耳を傾けること。これは、現代を生きる私たちにも出来ることです。2つのことわざではありませんが、保育にしても生活にしても、様々な価値観や様々な境遇があることを知ることによって、多くのことが見えてくることは確かなようです。