5月の古東だより
新年度が始まって一ヶ月。新型コロナウイルス感染症の流行により、登園自粛が要請され、園の行事も中止になっております。保育参観、クラス別懇談会、七夕まつりが中止となりました。子どもたちが楽しみにしていた行事がなくなり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。“日常”がどれだけ尊いのか、ということを実感する毎日です。一日も早く日常を取り戻すことができるよう、祈るばかりです。
コロナウイルスは社会を一変させました。それに伴い、本当に大切なものは何なのか、ということを考えるきっかけとなっているのも事実です。テレワークをしている方も多いと聞きます。保育者はテレワークをするわけにはいきませんが、今まで当たり前のようにやっていた作業の必要性を、確かめるよい機会となっています。さらにもっと大切なこと。それは、一人一人が社会に貢献するために何が出来るのかです。三密を避けて行動する。「自分だけならば大丈夫だろう」という気持ちを抑え、我慢することは言うまでもなく社会貢献なのです。連休中、遠方に住むご家族と会うのを我慢した方が大勢います。頭が下がります。飲食店がたいへんな時期、テイクアウトで貢献しようとする方々がいます。仕事で出かけるときに、「気をつけてね」の一言。この一言で、本当に気をつけようと思えます。出来ることの大小はあれども、一人一人の地道な貢献が求められています。
困難なときには、様々なものが見えてきます。良いことも悪いことも。かつて世界を揺るがせたペストという伝染病がありました。このペストを克服した人類は、“ルネサンス”という新しい文化を開花させました。私たちは今、コロナに試されているのです。日常を取り戻す努力と同時に、もう一度社会の“絆”を回復させていきましょう。