10月の古東だより
2020.09.29
古東だより
すっかり秋めいてまいりました。秋めいて、というよりも冬に向かってまっしぐら、という感じもあります。信州の秋は短いですね。最も過ごしやすいこの季節を楽しみながら過ごしたいものです。
先日年中クラスのNくんが、私に近づき突然こう言いました。「たましいってなに?」。「え! たましい??」。私はとっさにこたえることが出来ず、しばらく考え込んでしまいました。 「日本代表の誇りと魂はむこうに置いてきました」と語ったのは、サッカー元日本代表の三浦知良選手。ワールドカップのメンバーから外されたときの名言ですが、そんなことを彼は知る由もありません。そんな古い話はさておき、“たましい”の続きです。幽霊?違うなあ。もしかしたら彼は、そんな感じのイメージで聞いてきたのかもしれません。さんざんうなりながら考えた挙げ句の答えです。「目には見えないけれども、とっても大切なもの。心かな」。彼は「わかった!」と言って嬉しそうに走り去っていきました。「これで良かったのだろうか?」私は、なんとも言えないモヤモヤした気持ちになりました。答えは正しかったのか、彼の理解出来る言葉であったのか。
『子どもを人間としてみるということ』という本がありました。子どもの言動に対して子どもだからと思わず、一人の人間として扱わなければならない、という内容だったと思います。忙しさにかまけて、ついあしらってしまうことはないでしょうか。子どもは素朴な疑問を私たち大人に遠慮なしにぶつけてきます。その一つ一つを真摯に受け止めているのだろうか。精一杯応えているだろうか。深く考えさせられる出来事でありました。