12月の古東だより
2020.11.30
古東だより
先日、幼保小連携の公開保育を行いました。通常ですと数十人が集まるところ、このご時世ですので教育委員会・保育幼稚園課・小学校から4人だけが参加されました。年長ばら組が、おみせやさんごっこへ向けて製作をするという活動でした。子どもたちのつぶやきから、「映画館をつくろう!」というテーマのもと、何回か続けてきた活動です。40分という短い時間の中に様々なドラマが見られ、見学者はそれらを丁寧にみとってくださっていました。協力する姿、友だちに刺激を受けてやろうとする姿、工夫して作り上げる姿、黙々と集中する姿、終了の時間を気にする姿。とても印象的で、子どもたちが確かに育っているという確信めいたものを感じました。
活動の冒頭、一人の園児がペットボトルの蓋を誤って床に撒き散らしてしまう場面がありました。それを周りの子どもたちが、何も言わずに当たり前のように拾う姿がありました。教育委員会の方はその姿を、「やさしく育っている子どもたち」と評価してくださいました。大人が何も働きかけなくとも、助ける姿があったのです。この姿はまさに我々が子どもたちに望んでいる姿です。私たちの保育は「ただ見ているだけ」と揶揄されることもあります。しかし、ただ見ているだけでこのような姿になるわけはないのです。保育者は片付ける姿を見せたり、片付けることでみんなが幸せになることを教えたり、子どもの気持ちを代弁したり。この積み重ねがあるのです。子どもが拾ってくれるだろうと予想されるからこそ、見守ることができる。私はこの保育が気に入っていますし、育った子どもたちを見るのが大好きです。あらためて大切なことに気付かされる機会となりました。