7月の古東だより
2022.06.29
古東だより
すでに梅雨が明け、6月から真夏の暑さが続いております。今年は長い夏になりそうです。国からは熱中症予防のためにエアコンを適切に使用しつつ、電力消費を抑えることが求められています。この相反する課題をどう克服すればいいのかと思いますが、世の中にはよくあることです。
保育の中で「いのち」の扱いについて子どもたちに語りかけることがあります。当園は仏教園ですので、仏教行事のたびに「いのち」を大切にしようとお話をしています。子どもがむやみに園庭で見つけた虫を潰してしまうことがあります。発達上仕方のないことですし、子どもの時誰もが経験していることですが、大人は必ず「虫さんもいのちがあるのだよ、かわいそうだよね」と諭します。しかし諭す側の大人は、当然のようにハエや蚊やゴキブリを殺します。かなり前になりますが、保育士たちとなぜ害虫は殺して良いのかを子どもたちにどう説明すべきかについて議論したことがあります。答えは出ませんでした。花壇の花を抜くと怒られて、雑草を抜いても何も言われない、これも同じです。なぜカブトムシや蝶や金魚の「いのち」と害虫の「いのち」に差をつけていいのかは説明することができず、どんな言葉をつかってもきれいごとにしか聞こえません。結局私たち人間の都合なのです。環境問題も同じで、人間がいなくなれば環境は自ずと回復するはずです。では、どうすれば良いのでしょうか。そうであっても子どもたちには「いのち」の大切さを語るべきでしょう。戦争はいけない、と語るべきでしょう。大人になるに従って、いろいろな矛盾とぶつかり自問自答する中で、自分なりの答えを見つけていくのではないでしょうか。