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5月の古東だより

2023.04.29 古東だより

新年度が始まって1ヶ月。子どもたちが保育園の生活にだいぶ慣れてきた様子が伺えます。大型連休はご家庭で予定をたてられていることと思います。休み明け、元気に登園してくれることを楽しみにしています。

 当園は仏教園です。5月には仏教行事である「花まつり」があります。私たちがいつも手を合わせている、「ののさま(お釈迦様、仏様)」がお生まれになったこと、お誕生をお祝いする行事です。命の誕生について、ののさまの誕生日を通して子どもたちに伝える大切な機会です。

 命の尊さを伝えることはとても難しいです。言葉では「命を大切に」と子どもに簡単に教えられるのですが、我々大人の行動を振り返るとどうでしょうか。「小さな虫にも命があるのだよ」と言いながらも、ハエやゴキブリは平気で殺します。花壇の花を引っこ抜いてきた子どもをたしなめますが、雑草を取ることに何の疑問ももちません。命の尊さを説くことは単純なことではありません。

私たちは知らず知らずのうちに命を選別しているのです。では、どうしたらよいのでしょうか。最適解はみつかりませんが少なくとも、人間というのはいつも矛盾を抱えている、自分は矛盾を抱えて生きていると自覚することが大切だと思います。この自覚によって「自分は絶対に正しい」という思い込みから解放され謙虚になれるのです。謙虚さを持ちながら、命の尊さを伝えること。このことを保育者も親も忘れてはならないと思います。

 2月には、ののさまがお亡くなりになったことを偲ぶ「涅槃会」があります。涅槃会は「死」ということを伝える行事です。一年が、花まつりで始まり涅槃会で終わる。命の始まりと終わりを子どもたちに伝えられる機会はたいへん貴重であると感じています。