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3月の古東だより

2025.03.21 古東だより

今年度最後の園長だよりとなります。

先日、工藤勇一先生の講演会に参加する機会がありました。工藤先生は千代田区立麹町中学校の元校長先生です。公立学校の改革で有名になりました。TBS系で放映されている「御上先生」の松坂桃李さん演じる教師のモデルであり、ドラマの監修もされています。以前彼の著作を読んで感銘を受けたことがあります。今回学んだことを少しお伝えします。

印象的だった言葉は、「子どもからトラブルを奪わないこと」です。我々大人は、子ども同士を「仲良くさせたい」と意識しすぎだと指摘されています。嫌な思いをさせたくない。確かにそうです。モノの取り合いが起こると、「貸して」「いいよ」を言わせて満足しがちです。この流れでいくと子どもは次第に、「トラブルは大人が解決してくれるものだ」と認識してしまうというのです。ではどうするべきなのか。先生は、「徹底的に寄り添う」という表現をされました。「解決する」と「寄り添う」はどう違うのでしょうか。解決は大人が一方的にする行為です。寄り添うというのは、丁寧の子どもの思いを引き出すことです。「どう思ったのか」「どうしたいのか」。時間はかかりますが、子どもたちは自分で考えるようになっていくそうです。小さなトラブルの経験が、将来の大きなトラブルを受け止める力となる。そして、子どもが「当事者意識」を身につけることが大事だと言います。子ども自身が当事者になること。それには「自己決定」が鍵になる、とのことです。あらためて教育について考えさせられ、目指す方向を確認することができました。

年長さんはもうすぐ卒園式。そしてそれぞれ一つ上の学年に上がります。みんな大きくなりました。1年間、ありがとうございました。