8月の古東だより
人気若手俳優が亡くなられたというニュースはかなり衝撃的でした。彼は才能に溢れ、努力家でおごることなく、誰からも愛されていました。私も彼がレギュラー出演する番組を時折観る機会がありました。「なぜ彼が…」という感情を多くの方が抱いたことでしょう。順風満帆な人生を歩んでいると誰もが思っていました。
「あの人はきっとこんな人なのだろう」。私たちは、自分がつくりあげたモノサシで判断します。でも、そんなモノサシは当てになりません。思い込みはことごとく覆されます。「どう思っているの?」と聞いてみると、「そんなこと考えていたのか」と驚くことがよくあります。言葉だって真実かどうかはわかりません。こう言ったけど実はこうだった、なんてこともよくあります。人の心は見えにくいのです。そう簡単に人を理解できる、というものではないのです。近くにいるから理解できるとは限りません。難しいのです、人の心は。であるからこそ私たちは謙虚でなければならないのです。子どもたちに対する眼差しを、あらためて考え直さなければならないと思いました。「この子はこうだから」。保育者も親も、こうなっていないでしょうか。もっといろいろな思いを抱えているのかもしれない。言葉にできないだけで、伝えたいこと、やりたいことがあるのかもしれない。訴えたいことがあるのかもしれない。やりたくない!という気持ちに向き合っているのだろうか。やりたくない!ってとても大切な感情なのだと思います。私たちはその声に真摯に耳を傾けているだろうか。「わがまま」の一言で片付けられない感情が誰にもあるのだろうと思います。わかろう、理解しよう、という私たちの姿勢が問われています。
何ともいえないモヤモヤ感の中で、こんなことを考えました。