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7月の古東だより

2024.07.15 古東だより

“はなしをきく”ということ

先月、年長・年中の子どもたち(人数の関係で全員ではありません)が、保育園の職員以外のお話を聞く機会がありました。「ちゃんと聞くことができるのだろうか」。少し心配ではありましたが、子どもたちは話を聞き分け(難しい話もありましたが)、理解して受け答えができていました。

当園を見学に来られた方に「お話をきちんと聞いていますね」と誉められることがよくあります。朝の会では、年少・年中・年長の約60人が保育者の話を聞くことができます(他園からは少人数でもなかなか難しいとよく聞きます)。異年齢保育の良さなのですが、年長は「年上だからちゃんとしなきゃ」という意識がはたらきます。年少は「お兄ちゃんお姉ちゃんを見習おう」という意識がはたらきます。もちろんそれだけの理由で話を聞くことができるわけではありません。「話を聞きたい!」というモチベーションが必要です。よって保育者は、子どもの興味関心につながるような工夫をします。さらに、「聞いていないと困る」という体験も必要です。マイナス体験というのは大切で、それを取り除いてばかりでは子どもは発達しません。小さなマイナス体験を、幼少期から積み重ねることが肝要です。

「きく」には、二つの漢字があります。「聞く」と「聴く」です。辞書で調べてみると、「聞く」は音や声が自然と耳に入ってくるニュアンスが強いのに対して、「聴く」は積極的に耳を傾けるという意味があるそうです。教育で目指すべきは後者の「聴く」ですね。そのために我々大人の言葉も大切にしたいものです。